先生、「手術したのに、また鼻のポリープができた」って言ってる人がいたよ。
においも全然しないんだって。
ふつうの蓄膿症と違うの?



それはもしかすると、“好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)”かもしれないね。
アレルギーに関わる細胞が起こす、少し特別なタイプの副鼻腔炎で、国の指定難病になっているんだ。
治りにくい病気だけど、今は新しい治療も出てきているよ。
「両側の鼻づまりと鼻茸をくり返す」「においがまったく分からない」「ぜんそくもある」——
この記事では、京都市中京区・御所南のなかい耳鼻咽喉科が、好酸球性副鼻腔炎の特徴と治療をやさしく解説します。
好酸球性副鼻腔炎とは?——ふつうの蓄膿症と何が違う?



“こうさんきゅう”って、なに?



血液の中にいる白血球の仲間で、アレルギーの反応に関わる細胞だよ。この好酸球が副鼻腔に集まって、強い炎症を起こすのが好酸球性副鼻腔炎なんだ。
慢性副鼻腔炎にはいくつかのタイプがあり、好酸球が多く集まる炎症を伴い、鼻ポリープやにおいの低下を繰り返しやすいのが好酸球性副鼻腔炎です。そのため——
・両側に鼻茸(はなたけ/鼻のポリープ)が多くできる
・においが分からなくなる(高度な嗅覚障害)
・ふつうの蓄膿症のお薬が効きにくい
・手術をしても再発しやすい
といった特徴があり、国の指定難病に定められています。
おもな症状
主な症状は以下のとおりです。
- 両側の強い鼻づまり
- くり返しできる鼻茸(はなたけ)
- においが分からない
- ねばりの強い(にかわ状の)鼻水
- ぜんそくを合併しやすい



“にかわ状”って?



ゴムのり、と言ったら分かるかな。
ふつうの鼻水よりずっとねばっこくて、糸を引くような鼻水なんだ。
診察のときの、大事な手がかりのひとつだよ。
喘息との深い関係



鼻の病気なのに、ぜんそくと関係あるの?
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あるんだよ。
鼻から気管支まで、空気の通り道はひとつづきだからね。
好酸球性副鼻腔炎の方は、ぜんそく——とくに大人になってから始まるタイプ——を合併することが多いんだよ。
鼻とぜんそく、どちらか片方だけ治療してもうまくいかないことがあって、両方をあわせて診ることが大切なんだ。
当院では、気道の炎症を客観的な数値で調べる呼気NO検査も行っています。
「鼻もぜんそくも気になる」という方は、あわせてご相談ください。
治療——新しい選択肢も増えています
- 鼻の炎症を抑える点鼻薬——治療の基本です。症状が強い場合は飲み薬も検討し、効果と副作用を考えて量や期間を調整します
- 内視鏡を使った手術——鼻茸を取り、副鼻腔の通り道を広げます
(手術が必要な場合は、基幹病院の信頼できる医師にご紹介します) - 生物学的製剤(注射のお薬)——近年登場した、好酸球やアレルギーの炎症をおさえる治療。重症度やこれまでの治療の効果などを確認して検討します
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“治りにくい”って聞いてしょんぼりしたけど、新しいお薬もあるんだね



そうだよ。
この病気の治療は、ここ数年で大きく進歩したんだ。
“もう治らない”とあきらめていた方にこそ、今の治療を知ってほしいな。
「指定難病」について(医療費助成)
好酸球性副鼻腔炎は、国の指定難病に定められています。
ただし、診断された全員が自動的に助成を受けられるわけではなく、条件を満たし、申請して認定を受ける必要があります。
重症度の基準を満たさなくても、高額な医療費が続く場合には対象になることがあります。
申請方法は京都市の指定難病 新規申請の案内をご確認ください。



“難病”って言われると、こわいよ…。



言葉にはおどろくよね。
でも“難病=不治の病”ではないんだ。
“長くつき合う必要がある病気だから、国が医療費を支えます”という制度の名前だと思ってね。
条件を満たして申請し、認定されると使える制度なんだ。該当しそうな方には、診察のときにご説明するね。
よくある質問(Q&A)
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ほかにも、よく聞かれることってある?



あるよ。まとめて答えるね。
- ふつうの蓄膿症と、どうやって見分けるのですか?
-
鼻茸のようす・鼻水の性状・血液検査(好酸球)・画像検査などをあわせて診断します。症状だけや好酸球の数値だけでは診断しません。
まずは診察でご相談ください。 - 手術をすれば治りますか?
-
手術で鼻の通りやにおいが改善する方は多いですが、この病気は再発しやすいため、手術後もお薬と通院を続けることが大切です。
- 生物学的製剤は、だれでも使えますか?
-
適応には条件があります。重症度や治療の経過をみて判断しますので、診察でご相談ください。
- においは、あきらめるしかないですか?
-
あきらめずにまずはご相談ください。
治療で改善する方もいますし、生物学的製剤など新しい選択肢も増えています。
まとめ
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好酸球性副鼻腔炎は、“治す”というより“じょうずにコントロールする”病気。
再発しやすいけれど、治療の選択肢は増えているよ。
ぜんそくがある方・鼻茸をくり返す方・においが分からない方は、あきらめずに相談してね。
- 好酸球というアレルギーに関わる細胞が起こす、特別なタイプの副鼻腔炎(国の指定難病)
- 両側の鼻茸・高度なにおいの低下・にかわ状の鼻水・ぜんそく合併が特徴
- 治療はステロイド・内視鏡手術・生物学的製剤。
再発しやすく、定期通院が大切 - 条件を満たし申請・認定されると、医療費助成の対象になることも
なかい耳鼻咽喉科(京都市中京区・御所南/地下鉄烏丸線「丸太町駅」近く)では、くり返す鼻茸・においの低下のご相談をお受けしています。
ぜんそくを含めた気道全体を見わたしながら、長くつき合う治療をご一緒に続けていきます。「手術したのに、また…」とあきらめる前に、ご相談ください。
監修:なかい耳鼻咽喉科 院長 中井 茂(なかい しげる)
医学博士/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医/日本気管食道科学会 専門医/補聴器適合判定医師
参考文献:
・難病情報センター「好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)」
・日本鼻科学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の一般向け情報



