パラインフルエンザ感染症とは?インフルエンザとの違い・クループの「ケンケン咳」と受診の目安を医師が解説|京都市中京区・御所南・丸太町駅 なかい耳鼻咽喉科

はーちゃん

先生、弟が夜中に「ケンケン!」ってオットセイみたいな変な咳をして、声もかすれてたんだ。
ママがびっくりして、朝いちばんで連れてきたよ。

なかい先生

それは「クループ」の咳だね。早く連れてきてくれてよかった。
クループを起こしやすいウイルスの代表が「パラインフルエンザウイルス」。
名前は似ているけど、インフルエンザとはまったく別のウイルスなんだ。
今日はくわしく話すね。

パラインフルエンザ感染症は、乳幼児に多い呼吸器(かぜ)の感染症で、のどの奥(喉頭)が腫れて空気の通り道が狭くなる「クループ」を起こしやすいのが特徴です。
この記事では、京都市中京区・御所南のなかい耳鼻咽喉科が、パラインフルエンザウイルスの特徴、インフルエンザとの違い、クループの症状と「すぐ受診が必要なサイン」、治療と家庭でのケアを解説します。

目次

パラインフルエンザウイルスとは?

はーちゃん

「パラ」インフルエンザって、インフルエンザの仲間じゃないの?

なかい先生

名前が紛らわしいんだけど、ウイルスの種類がまったく違うんだ。
インフルエンザのような急な高熱や強い関節痛は少なくて、かぜの症状+のどの奥の腫れ(クループ)が特徴。
インフルエンザの薬もワクチンも効かないよ。

パラインフルエンザ感染症の基本
✔ 原因:パラインフルエンザウイルス(1〜4型があります)
✔ 感染経路:飛沫感染・接触感染
✔ 潜伏期間:2〜6日
✔ 流行時期:一年を通してみられ、季節によって流行する型が変わります(1型は秋、3型は春〜夏に多い傾向)
✔ かかりやすい年齢:生後6か月〜3歳ごろの乳幼児。何度もかかりますが、くり返すうちに軽くなります

インフルエンザとの違い

パラインフルエンザインフルエンザ
ウイルスパラインフルエンザウイルス(パラミクソウイルス科)インフルエンザウイルス(オルソミクソウイルス科)
主な症状かぜ症状+クループ(ケンケン咳・声がれ)急な高熱・関節痛・強いだるさ
多い年齢生後6か月〜3歳全年齢
流行時期一年中(型で季節が変わる)主に冬
検査迅速検査はなく、症状で診断迅速検査・AI検査(nodoca)あり
特効薬・ワクチンなし(対症療法)抗インフルエンザ薬・ワクチンあり

主な症状|「クループ」に注意

はーちゃん

「クループ」って、どういう状態なの?

なかい先生

のどの奥、声帯のあたり(喉頭)がウイルスで腫れて、空気の通り道が狭くなる状態だよ。
子どもはもともと気道が細いから、少しの腫れでも呼吸に響きやすいんだ。
狭いところを空気が通るから、「ケンケン」「オットセイの鳴き声」のような咳(犬吠様咳)になるんだよ。

主な症状
✔ 発熱・鼻水・のどの痛み・咳(かぜの症状)
✔ 「ケンケン」「オットセイの鳴き声」のような咳(犬吠様咳:けんばいようがいそう)
✔ 声がれ(かすれ声)
✔ 息を吸うときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と鳴る(吸気性喘鳴)
✔ 夕方から夜間に悪化しやすい
✔ 乳児では細気管支炎・肺炎になることもあります

【重要】呼吸が苦しそうなときは、すぐに受診を

はーちゃん

夜中に急に苦しそうになったら、朝まで待っていいの?

なかい先生

クループは夜間に急に悪くなることがある病気。
次のサインがあったら、朝まで待たずに夜間の救急外来へ行ってね。

クループ|すぐ受診が必要なサイン

✔ ゼーゼー・ヒューヒューが強い、安静にしていても息を吸うときに音がする
✔ 呼吸のたびにのどや胸がへこむ(陥没呼吸)、肩で息をしている
✔ 顔色が悪い、唇が青っぽい
✔ 水分がとれず、ぐったりしている
✔ よだれを飲み込めない、前かがみで苦しそう、声が出ない(急性喉頭蓋炎など、より危険な病気の可能性)
✔ 症状が急に悪化した、落ち着かせても咳と息苦しさが続く
※ 迷ったら、#8000(小児救急電話相談)にも相談できます

検査と治療

はーちゃん

パラインフルエンザかどうかは、検査でわかるの?

なかい先生

インフルエンザやRSウイルスのような迅速検査はないんだ。
だから特徴的な咳や声、のどの診察、流行状況から診断するよ。
大事なのはウイルスの名前より、「今、呼吸がどれくらい苦しいか」を見きわめて、必要な治療をすぐ行うことなんだ。

治療の内容
✔ 特効薬やワクチンはなく、症状をやわらげる治療(対症療法)が中心。多くは数日〜1週間で回復します
✔ クループの治療:のどの腫れを抑えるため、ステロイド薬(飲み薬・シロップ)を使います。1回の内服でも効果が続きます
✔ 呼吸が苦しい場合は、病院でのアドレナリンの吸入や酸素投与、入院が必要になることがあります
✔ 咳・鼻水・熱に対するお薬、鼻水の吸引
✔ ウイルスが原因のため抗菌薬は効きません(細菌感染の合併時は使用)

おうちでのケア

はーちゃん

お家でできることはある?

なかい先生

あるよ。
せきや声がれがつらいときは、うるおいのある空気が助けになるんだ。
そして、泣くと咳や息苦しさが強まるから、あわてずに落ち着かせてあげることも大切だよ。

✔ 部屋を加湿する。湯気のこもった浴室で呼吸させるのも効果的です
✔ 水分をこまめにとる
✔ 縦抱きにすると呼吸が楽になることがあります
✔ 泣くと悪化するので、あわてず、落ち着かせてあげてください
✔ 夜間に悪化しやすいので、寝る前に呼吸の様子を確認し、すぐ受診できる準備を
✔ 手洗い・咳エチケット、タオルや食器を分けることが予防に大切です

よくある質問(Q&A)

はーちゃん

ほかにも、お家の人からよく聞かれることってある?

なかい先生

あるよ。まとめて答えるね。

保育園はいつから行けますか?

パラインフルエンザ感染症に決まった出席停止の日数はありません。
熱が下がり、ケンケン咳や息苦しさがなくなって、ふだんどおり食事や活動ができるようになれば登園できます(医師が判断します)。

インフルエンザの薬(タミフルなど)は効きますか?

効きません。
パラインフルエンザウイルスはインフルエンザウイルスとは別のウイルスで、抗インフルエンザ薬もインフルエンザワクチンも効果がありません。

クループは何歳までなりますか?大人もなりますか?

気道が細い生後6か月〜3歳ごろに多く、6歳ごろまでにはほとんど起こらなくなります。
大人がパラインフルエンザにかかっても、多くは軽いかぜや声がれですみます。
ただし高齢の方や持病のある方は肺炎になることがあります。

何度もクループをくり返します。大丈夫ですか?

体質的にクループを起こしやすいお子さんがいます(反復性クループ)。
多くは成長とともに起こらなくなりますが、頻繁にくり返す場合は、アレルギーやぜんそく、気道の形の問題がないかを確認することがあります。

RSウイルスやヒトメタニューモウイルスとはどう違いますか?

どれも乳幼児のかぜのウイルスですが、RSウイルス・ヒトメタニューモウイルスは「細気管支炎(ゼーゼー)」を、パラインフルエンザは「クループ(ケンケン咳・声がれ)」を起こしやすいのが特徴です。
RS・ヒトメタは迅速検査があり、パラインフルエンザは症状で診断します。

まとめ

なかい先生

パラインフルエンザは、インフルエンザとは別の、乳幼児のかぜのウイルス。
特徴は「ケンケン」というオットセイのような咳と声がれ=クループで、夜に悪くなりやすいんだ。
加湿と水分、落ち着かせることでおうちでも楽にできるけど、呼吸が苦しそうなときは夜でもすぐ受診してね。

はーちゃん

お風呂の湯気で楽になるって、ママに教えてあげるね!

・パラインフルエンザウイルスはインフルエンザとは別のウイルス。薬もワクチンも効かない
・生後6か月〜3歳に多く、一年中みられる。潜伏期間2〜6日
・かぜ症状+クループ(ケンケン咳・声がれ・吸うときヒューヒュー)。夜間に悪化しやすい
・迅速検査はなく症状で診断。治療は対症療法+クループにはステロイド。抗菌薬は効かない
・おうちケア=加湿(浴室の湯気)・水分・縦抱き・泣かせない
・陥没呼吸・強いゼーゼー・顔色が悪い・水分がとれない・よだれを飲み込めないはすぐ受診

京都市中京区・御所南 丸太町駅でお子さんのケンケン咳・声がれのご相談は

なかい耳鼻咽喉科(京都市中京区・御所南/地下鉄烏丸線「丸太町駅」近く)では、お子さんののど・鼻・耳を直接確認し、クループをはじめとするかぜの感染症の診断・治療を行っています。
「変な咳をする」「声がかすれている」「夜に苦しそうだった」ときは、早めにご相談ください。



電話:075-241-3387

監修:なかい耳鼻咽喉科 院長 中井 茂(なかい しげる)
医学博士/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医/日本気管食道科学会 専門医/補聴器適合判定医師

参考文献:
・国立健康危機管理研究機構(旧 国立感染症研究所)パラインフルエンザウイルス感染症の情報
・日本小児科学会「予防接種・感染症」の情報
・日本小児呼吸器学会の一般向け情報(クループ症候群)

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