アデノウイルス感染症

アデノウイルス感染症は、80種類以上の型に分類され、呼吸器、目、消化管などに感染します。
主な症状は、呼吸器感染症咽頭結膜熱(プール熱)流行性角結膜炎(はやり目)胃腸炎などです。
ほとんどの人が5歳くらいまでに初感染を経験します。

なかい先生

特に夏には咽頭結膜熱が流行しやすく、
プールの水やタオルなどを介して感染が広がるため
プール熱と呼ばれるものが有名です。

はーちゃん

でも夏だけの病気ではないので、
年間を通して注意が必要だよ。


そして、多くの型があるため、何回も感染する可能性があります。
今回は、アデノウイルス感染症の原因、症状、治療法、そして予防法について詳しく解説していきましょう。

目次

アデノウイルス感染症の原因

アデノウイルスは、子供から大人まで幅広い年代に感染するウイルスで、特に子供たちに多く見られます。

ウイルスの型によって症状や感染の広がり方が異なります。

主な感染経路は

飛沫感染・・・咳やくしゃみによってウイルスが飛び散り、周囲の人に感染します。

接触感染・・・ウイルスが付着した手で目や口、鼻を触ることで感染します。

接触の多い場所での感染・・・保育園や幼稚園など子供同士が密接に接する環境で広がりやすい病気です。

アデノウイルスは非常に感染力が強く、感染者の便や体液に含まれるため、適切な衛生管理が重要です。

なかい先生

感染力が強いので保育園や小学校で流行することが多いですね。

アデノウイルス感染症の主な症状

アデノウイルス感染症の症状は型によって異なりますが、以下のような症状がよく見られます。

発熱・・・38~40℃程度の高熱が数日間続きます。

のどの痛み・・・特に「咽頭結膜熱(プール熱)」の場合、のどの痛みとともに結膜炎を伴うことがあります。

結膜炎・・・目の充血や目やにが増えるのが特徴です。

胃腸炎・・・腹痛や下痢、嘔吐を引き起こすことがあります。

その他・・・全身の倦怠感や食欲低下もよく見られる症状です。

はーちゃん

子供の場合は大人と比べて
症状が重くなることがあるから
注意してね。

感染初期のウイルス量が少ない時期は陽性の場合でも、迅速検査で陰性が出てしまうことがあります。

なかい先生

そのため当院では通常の簡易検査ではなく、最新の迅速検査法であるデンシトメトリー分析装置(クイックチェイサーImmuno Reader)を用いています!

なかい先生

この装置を使えば、少ない抗原量で、発症早期であっても検出することが可能です。

感染初期の少ない抗原でも検出することが可能なため初期治療開始のチャンスを逃しません
はーちゃん

早く原因がはっきりわかると安心だし、
他の人にうつさないように気をつけられるから
正確な検査・診断は大切だね!

なかい先生

そうだね!
当院ではこの装置をインフルエンザやその他の疾患の検出にも使っているから、それらにおいても効果的な早期治療が可能だよ!

アデノウイルス感染症の治療法

ウイルス感染なのでアデノウイルスに対して特効薬はありません。
基本的には症状を和らげる対症療法が行われます。
ただ、細菌による二次感染が起こっている時は抗菌薬が処方されることもあります。
疑問がある場合は医師に確認するのがよいでしょう。

発熱・・・高熱が続くときは解熱剤を使用して一時的に休息できる時間を作ることも有効です。

のどの痛み・・・温かい飲み物をゆっくり飲んだりはちみつ(1歳以上)をなめることで痛みを和らげましょう。

脱水症状の予防・・・嘔吐や下痢がある場合は経口補水液を使用し、十分な水分補給を心がけましょう。

アデノウイルス感染症の予防法

感染を予防するために心がけることはすべての感染症に共通する注意点と同じです。

手洗いの徹底・・・ウイルスは手に付着しやすいため石けんでよく手を洗いましょう。

目や口、鼻を触らない・・・無意識に顔を触ることで感染が広がることがあります。

清潔な環境を保つ・・・オモチャやドアノブなど、子供が触れるものはこまめに消毒を心がけましょう。

体調管理・・・疲れやストレスを感じていると免疫力が低下し、感染しやすくなります。十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

アデノウイルス感染症の出席停止について

アデノウイルス感染症は感染力が強く、出席停止期間の基準が定められています。

咽頭結膜熱(プール熱)

・・・発熱やのどの痛み、咳などの主症状が治まってから2日間経過するまで


流行性角結膜炎

・・・感染のおそれがないと認められるまで

なかい先生

症状の改善を確認して
通園通学許可書を作成します。
必要な場合は必ず受診してくださいね。

まとめ

アデノウイルス感染症はつらい症状を引き起こしますが、ほとんどの場合は適切なケアをすれば自然に治ります。
しかし、高熱が長く続いたり、ぐったりしている場合は、すぐに医療機関に相談してください。
また、保育園や幼稚園に通うお子さんが感染した場合、周囲に広げないよう自宅での療養を徹底することも大切です。

なかい先生

健康を守るために、日々の生活でできる
小さな予防が大きな効果をもたらします!

はーちゃん

ぼくも毎日元気に遊べるように
気をつけるね!

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