RSウィルス感染症のお話
RSウイルス感染症は、特に0~2歳の乳幼児に多く見られる感染症です。
この病気は、軽い風邪程度で済むこともあれば、まだ幼い乳児や基礎疾患を持つ子供の場合は重症化するリスクがあります。
今回は、RSウイルス感染症の原因、症状、治療法、そして予防方法についてお話しします。
RSウイルスは主に秋から冬にかけて流行が見られます。
2023年は夏に流行しました。
RSウイルス感染症の原因
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は、呼吸器に感染するウイルスの一種です。
このウイルスは非常に感染力が強く、集団生活で流行が起こる場合は注意が必要です。
感染経路は、
✔ 飛沫感染
・・・咳やくしゃみによるウイルスを含んだ飛沫を吸い込むことで感染します。
✔ 接触感染
・・・ウイルスが付着した手で目や鼻、口を触ることで感染が広がります。
感染症の広がり方はどの病気でも共通ですね。
RSウイルス感染症の症状
RSウイルス感染症の症状は、感染者の年齢や健康状態によって異なります。
主な症状としては次のようなものがあります。
軽症の場合
✔ くしゃみ
✔ 鼻水
✔ 軽い咳
✔ 微熱
これは普通の風邪と同じだね
重症化した場合(特に乳幼児)
✔ 激しい咳
✔ 呼吸困難(ゼーゼー、ヒューヒューといった音がする)
✔ 哺乳量の低下(おっぱいやミルクを飲めない)
✔ 顔色の悪化(青白くなる、唇が青紫色になる)
生後6か月未満の乳児や、低出生体重児、先天性心疾患を持つ子供、慢性肺疾患のある子供は重症化しやすいため、特に注意が必要です。
大人や年長児では軽い風邪のような症状で済むことも多いですが、免疫力が低い乳幼児や高齢者では気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。
そのような兆候が見られた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
赤ちゃんの肺炎には注意が必要なんだね。
こんな兆候が見られたらすぐに受診しましょう。
RSウイルス感染症の治療法
RSウイルスに対する特効薬はありません。
治療は主に対症療法が中心となります。
✔ 呼吸のケア・・・呼吸が苦しそうな場合は、加湿器を使って部屋の湿度を高め、気道の乾燥を防ぎましょう。
✔ 水分補給・・・発熱や呼吸困難で脱水にならないよう、こまめに水分を摂りましょう。母乳やミルクを飲む量が減った場合は、乳児用の経口補水液を利用してみましょう。
✔ 解熱剤の使用・・・発熱がつらそうな場合は、医療機関でで指示された解熱剤を使用し、休息を取れるようにするのもよいでしょう。
重症化した場合は、酸素吸入や点滴などの処置のため、病院での入院治療が必要になります。
RSウイルス感染症の予防
RSウイルス感染症を完全に防ぐことは難しいですが、気をつけることで感染リスクを減らすことができます。
✔ 手洗いの徹底・・・外出先から帰宅した後や食事の前後には石けんと流水でしっかりと手を洗いましょう。
✔ 接触を避ける・・・流行時期には人混みを避け、特に乳児を連れて外出する際は、混雑した場所に行かないようにしましょう。また、風邪気味の人との接触を避けることも心がけましょう。
✔ おもちゃや周囲の消毒・・・子供が触るおもちゃや家具をこまめに消毒し、ウイルスの付着を防ぎます。
✔ 予防的な注射(特定のケースでのみ)・・・低出生体重児や先天性疾患を持つ子供、高齢者など重症化リスクが高い場合には「パリビズマブ」という抗体製剤の予防接種が推奨されることがあります。
まとめ
RSウイルス感染症はほとんどの場合、風邪症状にとどまり自然に回復します。
しかし、小さな乳幼児や体力のない高齢者などの場合は気管支炎や肺炎につながることにも注意しておかないといけません。
なにか心配な症状が見られた場合には、早めに病院を受診してください。
場合によっては入院治療が必要になります。
兄弟が通う保育園や幼稚園で流行しているご家庭では、家庭内で感染が広がらないように予防を徹底しましょう。
迅速検査で調べることも出来ます。
検査で病名がわかると気をつけるべきポイントなどもわかり安心ですね。
回復の道筋が分かれば、悪化した時には素早く対応できるね。