アレルギー検査のお話
今回はアレルギーに関する検査のお話です。
お子さんの水鼻や鼻詰まりでお困りのお母さんはとても多いと思います。
そんな時、「この子は風邪なのかなぁ?」「それとも花粉症やハウスダストアレルギーなのかなぁ?」と心配になることがありませんか?
アレルギーを判別する検査にはいくつかの種類があります。
それぞれの特徴をお話しましょう!
鼻汁好酸球検査
鼻がグズグズしている、くしゃみが出る・・・
これらの症状が、「風邪症状」なのか「アレルギー症状」なのかを”鼻汁好酸球検査”で判断することができます。
好酸球とは白血球の種類のひとつで、本来アレルギー疾患では血中に増加することが知られています。
しかし花粉症やダニアレルギー性鼻炎では、血中よりもむしろ鼻粘膜や鼻汁の中での増化が著しくなります。
一方、風邪症状の場合の細菌やウイルス感染では、好酸球が鼻汁中に増加することは稀です。
風邪の場合は主に好中球という白血球が増加します。
鼻汁好酸球検査では、顕微鏡で鼻汁中の好酸球の有無や出現程度を調べ、1個でもあれば陽性、出現程度によって1〜3段階に分類します。
数が多いほど、症状が強いと判断します。
この検査はアレルギー性鼻炎か否かを判断するのに簡便で良い指標となります。
検査方法
検査は簡単で、滅菌した綿棒で鼻汁を少し取り、スライドグラスに擦りつけます。
インフルエンザ検査のように鼻の奥までグリグリやることはありません。
結果は数日で分かります。
この検査は採血の必要がなく、とても簡単に検査できるメリットがあります。
ただ、アレルギー性鼻炎を起こしている原因物質(アレルゲン)が何であるのかは分かりません。
そのため鼻汁好酸球検査が陽性だった場合、
血液検査(RAST検査)を行なって
原因を確認することもあります。
アレルギー血液検査
アレルギー疾患では血中にIgEという抗体ができます。
このIgEの測定には「RIST法」と「RAST法」の2種類の血液検査があります。
RIST法
RIST法は血液の中のすべてのIgEを計測する検査です。
アレルギー体質だとIgEの値は高く、アレルギー体質かどうかを見分ける重要な検査です。
この検査結果は治療薬を選択する際、薬の強さを決定する根拠になります。
数値が大きいほどアレルギー体質が強い、と判断しますが、必ずしも数値と症状は比例しない点には注意が必要です。
RAST法
従来からの注射器による採血検査
自分が何に対してアレルギーを持っているかについて、調べることができる血液検査です。
スギ花粉やハウスダストなどの物質に対する特異的なIgE値を測定することができるので、アレルギーの原因を確認するためにとても重要な検査となります。
花粉やハウスダスト・食品など、それぞれのアレルゲンごとに、0~6の7段階のクラスに判別します。
クラス2以上を示すとアレルゲン陽性と判断します。
RAST法では200種類以上の原因物質(アレルゲン)を推定することができます。
アレルゲンについて一項目ずつ選んで調べる方法と、39項目を一度に調べることのできるView 39アレルギー検査とがあります。
結果はいずれも1週間程度で判明します。
注射しないアレルギー検査 ”ドロップスクリーン検査”
当院では最新検査機器、ドロップスクリーン検査機器を導入しています。
指先にポンとスタンプするように採取した、たった一滴の血液で「41項目」について調べることができます!
注射器が怖いお子さんも、痛いのが苦手な大人の方も、
ドロップスクリーン検査なら
ラクに受けられますよ!
ブログ「ドロップスクリーン検査〜お子さんでも苦痛なく簡単にできるアレルギー検査〜」をご覧ください
検査費用について
鼻汁好酸球検査の場合
費用は3割負担の場合は450円程度です。
血液検査の場合
3割負担の方が5種類を調べた場合の費用は約2500円、10種類を調べた場合で約3800円となります。
View 39アレルギー検査、ドロップスクリーン検査の費用は約5000円です。
京都市にお住まいの小学生までのお子さんは200円、中学生の間は1500円の窓口負担となりますので必ず医療券をご持参ください。
まとめ
以上のように、「風邪かな?アレルギーかな?」という鼻症状が出たときは、まずは鼻汁中好酸球検査で判別を試みるのが良いでしょう。
結果、アレルギー性鼻炎の可能性が強かったときには、年齢や状況、症状に合わせ、投薬、舌下免疫療法、レーザー治療等、選択肢が広がります。
治療の前提として血液検査による確定診断が必要な場合は、時期を見て採血やドロップスクリーンによる血液検査に進むことをおすすめします。
かかりつけの先生と相談しながら対策を考えていきましょう!