のどに違和感を感じたら

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のどの違和感

のどや鼻の奥になんとも言えない違和感がある・・・こんな経験はありませんか?

「のどの奥に何か詰まった感じがして飲み込みにくい」

「いつも痰がへばりついているような感じがする」

「のどに何かできものがあるのではないか・・・それがもしもガンだったら・・・」

このように心配される方は多く、中には長い間思い詰めて受診される方もいます。

そんなご心配はやはりきちんと受診して確認することが大切です。

のどに違和感がある時に考えられる病気について

ではのどの違和感を感じた時に考えうる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

  • のどやのどの奥にできる良性腫瘍や悪性腫瘍
  • 甲状腺の腫瘍や、ホルモンバランスの崩れで起こる病気による甲状腺肥大
  • 逆流性食道炎によるのどの炎症
  • 副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎による鼻汁がのどに流れている
  • のどや気道での好酸球性炎症(アレルギー反応)
  • 年齢による分泌液のバランスの変化
  • 心因性のもの(一旦気になり始めると心配が心配を呼ぶ状況)

大まかには以上のことが考えられますので、当院では必要性とご希望に応じて以下の検査をします。

電子内視鏡検査

まずは電子内視鏡でのどの奥を観察します。

ほとんどの方には腫瘍などの異常はないことが多いのでリラックスして受けてください。

のどの入り口、奥、食道の入り口までを細かく観察します。

当院では検査中の様子を録画し、再生動画をモニターに映しながら患者さんと一緒に見て、その場で詳しくご説明します。

内視鏡とは言っても胃カメラに比べると検査時間は大変短く、鼻からの挿入ですので辛さは格段に軽い検査ですので「内視鏡は辛くてイヤ」と思っておられる皆さんもご心配はいりません。

この電子内視鏡の検査で異常が無ければひとまずはご安心されるのではないでしょうか。

甲状腺エコー(超音波検査)

電子内視鏡で異常が見つからなければ、次は甲状腺を確認します。

甲状腺は首の正面にあるホルモンを産生している器官ですが、その甲状腺に腫瘍ができていたり、ホルモン分泌のバランスが崩れていてものどや首の違和感が生じるからです。

甲状腺ホルモンに関わる病気に関しては「ブログ:女性に知ってもらいたい甲状腺の病気」をお読みください。

これは甲状腺エコー検査と血液検査で確認します。

エコー検査には痛みは全くありません。

当院では診察室の中のすぐ手の届く場所に超音波検査装置を常に置いています。

必要な時に即時にその場で検査できる体制を整えていますのでご心配事はすぐにその場で解決しましょう。

実は更年期に差し掛かった女性でこのような症状が現れる方は意外と多く見られます。

なかには漢方薬が体に合う方もおられますのでご相談しましょう。

呼気NO検査

内視鏡検査、甲状腺エコー検査で異常がなかった場合には呼気NO検査で好酸球性炎症があるかを確認しましょう。

これは軽く息を吹き込むことで息の中に含まれる一酸化窒素の値を調べます。

一酸化窒素は喘息やアレルギー反応がある時に増加する傾向があります。

これらの異常も時にはのどの違和感として感じられることがあるのです。

咽喉頭異常感症とは

咽喉頭異常感症という病名をご存知ですか?

深刻な異常は見つからないけれど、のどに強い違和感がある状態のことを指す病名です。

そんな病名があるくらいですからのどの違和感に悩む患者さんはとても多いのです。

当院ではこれまでに挙げた検査を必要性とご希望に応じて行いながら原因を探り、原因と思われる異常があれば治療を行います。

継続するのどの違和感は慢性的な原因による場合が多いので少し長い目で見つつ一緒に相談しながら治療していきましょう。

まとめ

このように、のどの違和感に対しては深刻な病気が見つからないかをまずはしっかり検査してみましょう。

特に異常は無く、しかしそれでも相変わらず辛い症状がある患者さんにはその他検査や投薬を試しながら、一緒に少しづつ原因を探ることになります。

原因不明で違和感だけが強い場合、現時点では特効薬や決定的な治療法がないのが残念ですが、「検査を受けて深刻な病気が無いことが分かると、安心してその後は次第に違和感を忘れてしまった・・」という方もおられます。

長く悩む前にまずは受診して相談してみましょう。

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