先生、熱は下がったのに、コホコホ乾いた咳がずっと続いてるんだ。クラスでも『マイコプラズマ』って言われた子がいるんだけど、ぼくもそうなのかな?



「熱のあとに、乾いた咳がしつこく続く」は、まさにマイコプラズマ肺炎の特徴だね。
風邪と間違われやすい病気だけど、ふつうの風邪薬や一部の抗菌薬は効かないから、きちんと見分けることが大事なんだ。
今日は病気のことと、当院の検査方針をくわしく話すね。
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌による呼吸器感染症で、しつこい咳と発熱が特徴です。子どもから若い大人に多く、風邪と間違われやすい病気です。
この記事では、京都市中京区・御所南のなかい耳鼻咽喉科が、マイコプラズマ肺炎の症状・治療・登園登校の目安と、当院が行っているLAMP法(遺伝子検査)を中心とした検査方針を解説します。
マイコプラズマ肺炎とは?
マイコプラズマって、ウイルス?細菌?



細菌だよ。でも、ふつうの細菌と違って“細胞の壁”がない変わり者なんだ。
だから、細胞の壁を壊すタイプの抗菌薬(ペニシリン系など)は効かない。
ここが、治療のときの大事なポイントになるよ。
マイコプラズマ肺炎の基本
✔ 原因:肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という細菌
✔ 感染経路:飛沫感染(咳・くしゃみ)と接触感染(タオル・食器の共用など)。感染力はそれほど強くなく、短時間の接触ではうつりにくいですが、家庭・学校など長時間一緒にいる場所で広がります
✔ 潜伏期間:2〜3週間と長め
✔ かかりやすい年齢:学童〜若い大人(幼児や高齢の方もかかります)
✔ 流行時期:一年を通してみられ、晩秋〜冬に増えます。2024年には全国的に大きな流行がありました
マイコプラズマ肺炎の症状
はじめは、ふつうの風邪と同じなの?



そう。はじめは発熱・のどの痛み・頭痛・だるさで、風邪と見分けがつかない。
そのあと乾いたしつこい咳が出てきて、熱が下がっても3〜4週間続くことがあるんだ。
“歩ける肺炎”なんて呼ばれるくらい、元気そうに見えるのに肺炎になっていることもあるよ。
主な症状
✔ しつこい咳:はじめは乾いた咳。次第に痰がからむ咳に変わることも。夜間に強くなりやすい
✔ 発熱:37.5〜39℃程度
✔ のどの痛み・頭痛・全身のだるさ
✔ 気管支炎・肺炎に進むことがあり、ぜんそくのある方は発作が悪化することも
✔ まれに、中耳炎・発疹・肝機能障害などの合併症
✔ 1〜2日の発熱のあと、咳がしつこく続いている
✔ 熱が下がっても咳が2週間以上続く
✔ 高い熱が続く、強いだるさがある
✔ 呼吸が苦しそう、ゼーゼーする、水分がとれない・ぐったりしている
✔ 学校・園や家族にマイコプラズマの人がいて、咳が出てきた
マイコプラズマ肺炎の治療



どんな薬で治すの?



マイコプラズマに合った抗菌薬、まずはマクロライド系(クラリスロマイシン・アジスロマイシンなど)を使うよ。
ただ、近年はマクロライドが効きにくい“耐性菌”が増えているんだ。
飲む日数は、お薬の種類によって違うよ。
体調がよくなっても、処方された期間と飲み方を守ってね。
飲み始めて2〜3日たっても熱が下がらないときは、もう一度相談してね。
治療のポイント
✔ 抗菌薬を飲む日数はお薬の種類によって異なります。処方された期間と飲み方を守ってください。多くは入院せず外来で治ります
✔ 肺炎の有無など、診察のうえで抗菌薬の必要性を判断します
✔ 咳止め・解熱鎮痛薬などの対症療法もあわせて行います
✔ 安静と十分な休養。息苦しさなど悪化があれば、2〜3日を待たずに受診してください
✔ 基礎疾患のある方・高齢の方は重症化のリスクがあるため注意が必要です



「熱が下がったから」と抗菌薬を自己判断でやめるのはNG。
ぶり返したり、周りにうつしたりする原因になるから、最後まで飲みきってね。
診断方法|当院の検査方針をくわしく



マイコプラズマかどうかは、どうやって調べるの?インフルみたいに、すぐわかる?
実はマイコプラズマは、検査しても“かかっているのに陰性”になることがある、診断のむずかしい病気なんだ。
だから当院では、症状や経過をよく見ながら、遺伝子検査(LAMP法)を中心に調べているよ。
① 遺伝子検査(LAMP法)
のどの奥を綿棒でぬぐって検体をとり、マイコプラズマの遺伝子を増やして調べる検査です。
PCR法と同じく遺伝子を調べる検査ですが、増やす仕組みが異なります。
結果は3日ほどでわかります。
陰性でも、感染を完全には否定できません。発症からの時期や検体の状態などもふまえて判断します。
② その他の検査
✔ 胸部X線:肺に炎症があるかを確認する必要があるときに行います
✔ 血液検査:マイコプラズマの抗体を調べることがあります
◆ 当院の検査方針|症状と経過をみて、必要な検査を選びます
熱や咳で受診され、症状や流行状況からマイコプラズマ肺炎を疑う場合、また患者さんご自身が強く心配されている場合は、LAMP法(遺伝子検査)で調べます。
どの検査にも限界があり、かかっているのに陰性になることがあります。
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だから当院では、検査の結果だけで決めつけず、発症からの時期や、エピソード・症状をあわせて総合的に判断する方針にしているんだ。
✔ 1〜2日間熱が出たあとから、咳がしつこく続いている
✔ 聴診で呼吸音に雑音が認められる
✔ 保育園・幼稚園・学校でマイコプラズマ肺炎が流行っている
✔ 新型コロナの検査が陰性である
✔ 咳ぜんそくが否定される
…など。患者さんごとのエピソードと症状から、注意深く必要な検査を検討します
マイコプラズマ肺炎は特別に怖い病気ではないけれど、病名が確定すると、早く正しい治療が始められる。
それに、治っていく道筋が見えるから、保護者さんの安心にもつながるんだ。
熱や咳で苦しむわが子の病名がわからないと、「もし怖い病気だったら…」と親子で不安な夜を過ごすことになるからね。
ぼくのママも、病気のときは心配そうにずっとそばで看病してくれたよ(涙)
登園・登校の目安と予防
登園・登校
マイコプラズマ肺炎には、決まった出席停止の日数はありません。
熱や激しい咳が治まり、全身の状態がよいことが登園・登校の目安です(医師が判断します)。
必要な手続きは、通っている園・学校にご確認ください。
予防
✔ 石けんでの手洗い・うがい、人混みでのマスク
✔ タオル・食器の共用を避ける
✔ 症状が落ち着いたあとも菌が排出されることがあるため、「1週間たてばうつらない」とは言い切れません。手洗いなどを続けましょう
✔ ワクチンはありません
よくある質問(Q&A)



ほかにも、よく聞かれることってある?



あるよ。まとめて答えるね。
- マイコプラズマは大人にもうつりますか?
-
うつります。お子さんの看病をしていた保護者の方が、あとから長引く咳で受診されることもよくあります。
大人は症状が軽いこともありますが、肺炎になることもあるので、咳が長引くときは受診してください。 - 抗菌薬を飲んでも熱が下がりません。
-
抗菌薬を飲み始めて2〜3日たっても熱が下がらない場合は、再度ご相談ください。
薬が効きにくい菌や、ほかの感染症などを考え、診察のうえで治療を見直します。
息苦しさなど悪化があれば、2〜3日を待たずに受診してください。 - 抗菌薬を飲み終わったのに咳が残っています。
-
菌がいなくなっても、傷んだ気道が回復するまで咳は3〜4週間続くことがあり、必ずしも治療が効いていないわけではありません。
ただし、咳が悪化する・熱がぶり返す・ゼーゼーするときは再受診してください。咳ぜんそくなど、ほかの原因がないかも確認します。 - 百日咳や咳ぜんそくとはどう違いますか?
-
どれも「長引く咳」が特徴で、見分けがむずかしい病気です。
マイコプラズマは熱のあとの乾いた咳、百日咳は発作的に連続する咳と咳き込んでの嘔吐、咳ぜんそくは熱がなく夜間〜明け方に咳が出るのが典型です。
当院では、経過と検査で原因を見きわめて治療します。 - 検査の費用はどれくらいですか?
-
抗原検査・LAMP法とも保険適用です。年齢や保険の種類によって自己負担額が変わりますので、最新の金額は受付にご確認ください。
まとめ
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マイコプラズマ肺炎は、熱のあとに乾いた咳がしつこく続く病気。
風邪薬や一部の抗菌薬は効かないから、きちんと診断して、合った抗菌薬を最後まで飲みきることが大切だよ。
当院はLAMP法(遺伝子検査)と診察をあわせて、できるだけ早い診断を目指しているから、長引く咳は早めに相談してね。
・肺炎マイコプラズマという細菌による感染症。学童〜若い大人に多く、潜伏期間は2〜3週間
・発熱のあと乾いたしつこい咳が続く。熱が下がっても3〜4週間咳が残ることも
・治療はマクロライド系抗菌薬。日数は薬の種類で異なる。2〜3日たっても熱が下がらなければ再相談。自己判断でやめない
・当院の検査=LAMP法(遺伝子検査・約3日)。陰性でも感染を完全には否定できず、症状・経過とあわせて判断
・登園・登校は熱や激しい咳が治まり、全身の状態がよければOK(日数の決まりなし)
・予防は手洗い・マスク・タオルや食器を分けること
なかい耳鼻咽喉科(京都市中京区・御所南/地下鉄烏丸線「丸太町駅」近く)では、LAMP法(遺伝子検査)と診察をあわせて、マイコプラズマ肺炎の診断・治療を行っています。
「熱のあとの咳が止まらない」「学校で流行っている」ときは、お気軽にご相談ください。
電話:075-241-3387
監修:なかい耳鼻咽喉科 院長 中井 茂(なかい しげる)
医学博士/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医/日本気管食道科学会 専門医/補聴器適合判定医師
参考文献:
・国立健康危機管理研究機構(旧 国立感染症研究所)マイコプラズマ肺炎の情報
・日本マイコプラズマ学会「肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針」
・厚生労働省「学校において予防すべき感染症」
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