鼓膜切開・鼓膜チューブ留置とは?くり返す中耳炎のお子さんに外来でできる処置を医師が解説|京都市中京区・御所南・丸太町駅 なかい耳鼻咽喉科

はーちゃん

先生、弟が中耳炎を何回もくり返して、抗生物質をずーっと飲んでるんだ。
ママは「このまま薬ばっかりで大丈夫かな」って心配してるよ。

なかい先生

2歳ごろまでのお子さんは免疫の力がまだ未熟で、比較的重い急性中耳炎をくり返すことがあるんだ。
そういうときに効果的なのが、「鼓膜切開」と「鼓膜チューブ留置(りゅうち)」という処置。
当院では、入院せずに外来で受けられるんだよ。
今日はくわしく話すね。

くり返す急性中耳炎や、長引く滲出性中耳炎のお子さんに対して行う処置が「鼓膜切開」と「鼓膜チューブ留置」です。
この記事では、京都市中京区・御所南のなかい耳鼻咽喉科が、どんなときにこの処置を行うのか、それぞれの方法と効果、処置のあとの注意点、そして当院が外来で行っている理由を解説します。

目次

どんなときに行う処置?

はーちゃん

どうして、お薬だけじゃ治りにくいの?

なかい先生

中耳(鼓膜の内側の空間)は、お薬が届きにくい場所なんだ。
膿がたまったままだと細菌が減りにくくて、抗菌薬(抗生物質)の治療が長引いてしまう。
そこで、膿の“出口”を作って換気するのが、この処置の考え方だよ。

鼓膜切開・鼓膜チューブ留置を検討する主な場合
✔ 膿がたまって鼓膜が強く腫れ、痛みや熱が強い急性中耳炎
✔ 抗菌薬を使ってもなかなか治らない・くり返す急性中耳炎(2歳ごろまでのお子さんに多い)
✔ 鼓膜の奥に液体がたまる滲出性中耳炎が3か月以上続き、聞こえの低下や鼓膜の変形がある
✔ 中耳炎のくり返しで、中耳の発達・聞こえ・言葉の発達への影響が心配される

鼓膜切開とは

はーちゃん

鼓膜を切るの?痛そう…こわいよ。

なかい先生

大丈夫、麻酔をして行うから痛みは少なくて、処置は数分で終わるよ。
鼓膜に小さな切り込みを入れて、膿の出口を作るんだ。
膿が出て中耳が換気されると、細菌が減って抗菌薬も効きやすくなり、短い期間で治せる。
そして、鼓膜の傷はすぐに閉じるから安心してね。

鼓膜切開のポイント
✔ 膿がたまって鼓膜が腫れ、痛みや熱が強いときに行います
✔ 鼓膜に麻酔をしてから、小さな切り込みを入れて膿を出します
✔ 処置は数分。麻酔で痛みは少なくすみます
✔ 膿が出ることで痛みや熱が早く楽になり、抗菌薬の効きもよくなります
✔ 切開した鼓膜の穴は、通常数日で自然に閉じます

鼓膜チューブ留置とは

はーちゃん

「チューブ」って、何を入れるの?

なかい先生

鼓膜を切開した穴に、とても小さなシリコン製のチューブを入れて、中耳の換気をずっと保っておく治療だよ。
中耳炎をくり返すお子さんや、滲出性中耳炎が長引くお子さんに行うんだ。

鼓膜チューブ留置のポイント
✔ チューブが「換気の窓」の役目をして、中耳の状態が大きく改善します
✔ 中耳炎の再発を防ぐ効果が高く、炎症が長引くことで心配される中耳の発達への影響も防げます
✔ 聞こえがよくなり、言葉の発達や集団生活への影響を減らせます
✔ チューブは多くが数か月〜1年ほどで自然に抜けて出てきます。抜けたあとの鼓膜の穴も、ほとんどは自然に閉じます
✔ チューブが入っている間は、定期的に診察で状態を確認します

鼓膜切開鼓膜チューブ留置
目的たまった膿を出す(今の炎症を早く治す)換気を保つ(再発・長引きを防ぐ)
主な対象膿がたまって痛み・熱が強い急性中耳炎くり返す急性中耳炎、長引く滲出性中耳炎
処置時間数分数分
鼓膜の穴数日で閉じるチューブが抜けるまで(数か月〜1年)開いている

当院では、入院せずに外来で受けられます

はーちゃん

こういう処置って、大きな病院に入院しないといけないんじゃないの?

なかい先生

大きな病院では「入院して全身麻酔の手術」になることが多い処置なんだ。
でも当院では、お子さんとご家族の負担を軽くするため、日ごろの外来診療の中でこの処置を行っているよ。
ある程度の年齢までは、入院せずに受けられるんだ。

なかい先生

ただ、大きくなって力が強い年齢になると、局所麻酔での処置はむずかしくなる。
その場合は、入院施設のある病院をご紹介することもあるから、まずは相談してね。

処置のあとの注意点

鼓膜切開・チューブ留置のあと|おうちで気をつけること

✔ 入浴・洗髪はふだんどおりで大丈夫です
✔ プール・水泳は、医師の指示に従ってください(チューブが入っている間は、耳に水が入らないよう注意が必要な場合があります)
✔ 処置の数日後に診察で経過をみます。必ず受診してください
✔ 耳だれが出たときは、早めに受診してください(チューブを通して膿が出ている=中耳炎が起きているサインです)
✔ 耳を強くさわらない、耳かきをしない
✔ 鼻水をためこまない(鼻をかむ・吸う)ことが、中耳炎の予防になります

よくある質問(Q&A)

はーちゃん

ほかにも、お家の人からよく聞かれることってある?

なかい先生

あるよ。まとめて答えるね。

痛くないですか?泣いて暴れませんか?

麻酔をして行うので、痛みは少なくてすみます。処置自体は数分です。
小さなお子さんは、おうちの方と協力して、動かないように体を固定して行います。
処置中は恐さから泣いてしまうことが多いですが、終わればすぐに落ち着きます。

鼓膜に穴をあけて、聞こえが悪くなりませんか?

切開した穴は数日で閉じ、聞こえへの影響はありません。
チューブが入っている間も、聞こえはむしろ良くなることがほとんどです(たまっていた液や膿がなくなるため)。

チューブはいつ、どうやって抜けますか?

多くは数か月〜1年ほどで、鼓膜が再生する力で自然に押し出されて抜けます。
抜けたチューブは耳あかと一緒に出てくることが多く、気づかないこともあります。
定期的な診察で、チューブの状態と鼓膜を確認します。

処置のあと、また中耳炎になることはありますか?

チューブが入っていても、風邪のあとなどに中耳炎を起こすことはあります。
ただし、膿がチューブから外に出るため、痛みや熱が軽くすみ、点耳薬などで治りやすくなります。
耳だれが出たときは早めに受診してください。

費用は保険が使えますか?

鼓膜切開・鼓膜チューブ留置はいずれも保険適用の処置です。
お子さんは、お住まいの自治体の子ども医療費助成の対象となります。

まとめ

なかい先生

くり返す中耳炎や長引く滲出性中耳炎には、「膿の出口を作る」鼓膜切開と、「換気を保つ」鼓膜チューブ留置という頼もしい処置があるんだ。
麻酔をして、処置自体は数分で終わり、当院では外来で受けられる。
処置について不安なことや、わからないことは、診察時に遠慮なく相談してね。

はーちゃん

弟のこと、ママと一緒に先生に相談してみるね!

・2歳ごろまでは免疫が未熟で重い急性中耳炎をくり返しやすい。中耳は薬が届きにくく、抗菌薬が長引くことも
・鼓膜切開=膿の出口を作る。麻酔あり・数分・傷はすぐ閉じる・短期間で治せる
・鼓膜チューブ留置=小さなシリコンのチューブで換気を保つ。再発予防・中耳の発達を守る。数か月〜1年で自然に抜ける
・当院では入院せず外来で(力の強い年齢になると局所麻酔はむずかしい→要相談)
・処置後:入浴・洗髪OK、プールは医師の指示、数日後に受診、耳だれは早めに受診

京都市中京区・御所南 丸太町駅でくり返す中耳炎のご相談は

なかい耳鼻咽喉科(京都市中京区・御所南/地下鉄烏丸線「丸太町駅」近く)では、くり返す急性中耳炎・長引く滲出性中耳炎のお子さんに対して、鼓膜切開・鼓膜チューブ留置を外来で行っています。
「抗生物質ばかりで心配」「何度も中耳炎になる」というときは、お気軽にご相談ください。



電話:075-241-3387

監修:なかい耳鼻咽喉科 院長 中井 茂(なかい しげる)
医学博士/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医/日本気管食道科学会 専門医/補聴器適合判定医師

参考文献:
・日本耳科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「小児急性中耳炎診療ガイドライン」
・日本耳科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン」

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