自分の声が響く・呼吸の音が聞こえる…耳管開放症の症状・原因・治し方を医師が解説|京都市中京区・御所南・丸太町駅 なかい耳鼻咽喉科

はーちゃん

せんせい、自分の声が耳の中でワンワン響いて、しゃべりにくいの。
自分の息の音まで“ゴーゴー”聞こえるんだけど…。

なかい先生

それはもしかすると、“耳管開放症(じかんかいほうしょう)”かもしれないね。
耳と鼻をつなぐ“耳管”という管が、開きっぱなしになる病気なんだ。
つらい症状だけど、こわい病気ではないから、まずは安心してね。

「自分の声が響く」「耳がつまった感じなのに、横になると楽になる」——この記事では、京都市中京区・御所南のなかい耳鼻咽喉科が、耳管開放症の症状・原因・治療と、やってはいけない“鼻すすり”についてやさしく解説します。

目次

耳管開放症とは?(耳管のしくみ)

はーちゃん

“じかん”って、時間のこと…?

なかい先生

ふふ、字がちがうんだ。
耳管(じかん)は、耳の奥(中耳)と鼻の奥をつなぐ細い管のことだよ。
ふだんは閉じていて、つばを飲みこんだときなどに一瞬だけ開いて、耳の中の気圧を整えてくれる。
エレベーターや飛行機で耳が“ポンッ”とするのは、耳管が開いた合図なんだ。

耳管開放症は、この耳管が閉じずに、開いたままになってしまう病気です。
開きっぱなしになると、自分の声や呼吸の音が耳にひびいて、さまざまな不快感が起こります。

おもな症状——「横になると楽になる」が特徴

・自分の声が大きく響く(自声強聴〔じせいきょうちょう〕)
・自分の呼吸の音が「ゴー」と聞こえる
・耳がつまった感じ・声がこもる
・横になったり、下を向くと症状が軽くなる

はーちゃん

下を向くと楽になるの?ふしぎだね。

なかい先生

そこがこの病気の大きな特徴なんだ。
横になると、耳管のまわりの血流やむくみが変わって、開いていた耳管がふさがりやすくなるんだね。
“下を向くと楽”は診断の大事なヒントになるから、診察のときにぜひ教えてね。

おもな原因——急なダイエットのあとは要注意

なかい先生

きっかけとして多いのは、こんなものだよ。

・急な体重の減少(ダイエットや病気のあと)
・疲れ・脱水・ストレス
・妊娠やホルモンの変化

耳管のまわりの組織が減ったり、むくみが変化したりすることで、耳管が閉じにくくなると考えられています。

はーちゃん

ダイエットで耳の病気になることがあるの!?

なかい先生

意外だよね。
急に体重が減ると、耳管のまわりの組織もやせて、管がふさがりにくくなるんだ。
がんばってやせたあとに耳の違和感が出たら、この病気を思い出してね。

【重要】「鼻すすり」はやめましょう

なかい先生

これだけは覚えて帰ってほしいんだ。
耳の不快感を“鼻すすり”でまぎらわせるのは、やめてね。

鼻をすすると耳管が一時的にふさがり、その場は楽に感じます。
しかし、くせになると中耳がいつも陰圧(内側に引っぱられた状態)になり——

鼻すすりが招く、別の耳の病気

・滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)——中耳に液がたまり、聞こえが悪くなる
・真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)——鼓膜がへこんで、まわりの骨をこわしていくことがある

といった、治療が必要な別の耳の病気につながることがあります。
鼻すすりがくせになっている方は、必ず診察でお伝えください。

検査・治療

【検査】
問診で症状のパターン(横になると楽になるか、など)をくわしくうかがい、鼓膜が呼吸に合わせて動くようすを観察して調べます。

【治療】
・水分をしっかりとる(脱水は症状を悪化させます)
・急なダイエットがきっかけの場合は、減った体重をやや戻す
・漢方薬で改善する場合があります

なかい先生

“手術しないといけないの?”と心配される方も多いけど、多くは生活の工夫とお薬で少しずつ楽になっていくよ。
あせらず、いっしょに治していこうね。

受診のタイミング

✔ 自分の声や呼吸の音が響く状態が続いている
✔ 耳のつまった感じが続く・くり返す
✔ 鼻すすりがくせになっている
✔ 急なダイエットのあとから耳の違和感がある

はーちゃん

“耳がつまった感じ”って、ほかの病気でもあるんだよね?

なかい先生

そのとおり。
急性低音障害型難聴やメニエール病でも、耳のつまりは出るんだ。
“横になると楽になるか”がひとつの見分けポイントだけど、自分で判断するのはむずかしいから、聴力検査もあわせて調べるのが確実だよ。

よくある質問(Q&A)

はーちゃん

ほかにも、よく聞かれることってある?

なかい先生

あるよ。
まとめて答えるね。

自然に治りますか?

体重や体調が戻るとともに、徐々によくなる方が多いです。
ただし、症状がつらい場合や長引く場合は、他の病気との見分けもかねて受診してください。

ダイエットはやめたほうがいいですか?

急激なダイエットはきっかけになります。
健康のための減量そのものは続けて構いませんが、ペースをゆるめる・水分をしっかりとる、などの工夫をおすすめします。

耳管が「つまる」病気もあるのですか?

あります(耳管狭窄症)。
症状が似ているうえ、対処が逆になることもあるため、自己判断せず、診察で見分けることが大切です。

放っておくとどうなりますか?

命に関わる病気ではありませんが、不快感が生活の質を下げます。
また、鼻すすりのくせがつくと滲出性中耳炎・真珠腫性中耳炎につながることがあり、こうなると治療が必要です。

まとめ

なかい先生

自分の声が響く・呼吸の音が聞こえる・横になると楽——この3つがそろったら、耳管開放症を考えてね。
こわい病気ではないけれど、“鼻すすり”だけはダメ。別の中耳炎を招いてしまうからね。

・耳管が開きっぱなしになる病気。自分の声や呼吸の音が響く
・「横になると楽になる」のが特徴
・急な体重減少・疲れ・脱水・妊娠などがきっかけに
・治療は水分・体重回復・漢方など。多くは徐々によくなる
・鼻すすりは滲出性中耳炎・真珠腫性中耳炎のもと——やめましょう

京都市中京区・御所南 丸太町駅で耳の違和感のご相談は

なかい耳鼻咽喉科(京都市中京区・御所南/地下鉄烏丸線「丸太町駅」近く)では、耳管開放症のご相談をお受けしています。
「自分の声が響いてつらい」「耳のつまりが取れない」——似た症状の病気との見分けもふくめて、ていねいに診察します。お気軽にご相談ください。



電話:075-241-3387

監修:なかい耳鼻咽喉科 院長 中井 茂(なかい しげる)
医学博士/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 専門医/日本気管食道科学会 専門医/補聴器適合判定医師

参考文献:
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の一般向け情報
・日本耳科学会:耳管開放症に関する情報

目次