風邪のお話:ライノウィルス編
暑かった夏が過ぎ、急に冬が近づいてきました。
明け方に冷え込むと起きた時の喉の痛みで「風邪かな?」と感じることが増えますね。
風邪(急性上気道炎)は、ありふれた日常的な病気ですが、実は様々なウィルスや細菌に感染して起こる症状をひっくるめて「風邪症状」と呼んでいます。
風邪にかかると鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳・・・等、様々な症状が起こります。
「鼻の風邪」「のどの風邪」「咳の風邪」
風邪と言っても色々あるね。
これは違う種類のウィルス(または細菌)に感染し、
違う風邪症状が起こっていることを意味するよ。
様々な風邪症状を引き起こす、様々なウィルスや細菌・・・
今回はこれらのなかで最も一般的な「ライノウィルス」についてお話します。
風邪症状の代表的なウィルスや細菌
風邪症状を引き起こす代表的なウィルスや細菌を紹介します!
ウィルス
✔ライノウィルス
✔コロナウィルス
✔インフルエンザウィルス
✔アデノウィルス
✔RSウィルス
✔ヒトメタニューモウィルス
✔EBウィルス など
下の資料のように風邪症状を引き起こす原因はライノウィルスによる感染が多いです。
ライノウィルスは古くから存在するありふれたウイルスです。
ライノウィルスの症状
風邪の原因の約30~40%を占めるのがこのウイルスです。
秋や春に多く、主に鼻風邪を引き起こします。
症状は鼻みずの他、鼻づまり、鼻がのどの奥に下りる、のどの痛み、そして微熱です。
一般的には「軽い風邪」と感じる方が多いでしょう。
症状は1週間程度で治まりますが、長引く場合は細菌感染を伴って合併症(急性副鼻腔炎や急性中耳炎、咳ぜんそくなど)を起こしていないか、受診して確認するのがよいでしょう。
また、基礎疾患に気管支ぜんそくがあると、咳症状がひどくなったり、ぜんそく発作を起こしたりする可能性がありますので注意しましょう。
ライノウィルスの治療法
ウィルス感染ですので特効薬がなく、基本的には症状を和らげる対症療法が中心です。
この場合、抗菌剤は効果がありません。
充分な栄養と休息を取り、部屋の加湿を心がけ、辛い症状に対しては薬を活用して改善するまでの日常生活を乗り切りましょう。
症状は軽い場合が多く、おおよそ1週間で改善することがほとんどです。
軽い風邪を引いたときの注意点
風邪は多くがウィルス感染ですので、抗菌剤は効果がなく必要ありません。
むしろやみくもに抗菌剤を用いるのはよくありません。
ただ、実際の臨床ではウィルス感染による風邪症状で体力が落ちたところに、細菌感染が併発している症例に多く出会います。
皆さんも、はじめは軽い風邪だったのが長引くうちにドロドロした鼻汁に変わってきたり、色のついた痰が出るようになったり、お子さんなら中耳炎を併発したり・・・という経験があると思います。
このような場合は抗菌剤が必要となります。
「風邪なんだから抗菌剤はいらないはず!」
と思っている時に抗菌剤を処方されるときは
そんな状況かもしれません。
先生に説明してもらうと安心ですね。
まとめ
以上のように「軽い風邪」症状の多くはありふれたライノウィルスですが、その他のウィルスに感染したときはもっと症状が強かったり、経過観察に注意が必要なものもあります。
原因ウィルスによってはなるべく早く治療開始したほうが良いものや、検査で原因をはっきりさせるほうが安心して経過が見られるものもあります。
そのほかのウィルスについても
ブログで確認してね!
コンテンツはこれからも追加していきます!
「ちょっと症状が強いな」「治りが遅いな」という場合は早めに受診しましょう。